Oxentia インタビュー 「日本のイノベーションエコシステム」

Oxentiaインタビュー和訳(原文は下部リンクより)

日本のイノベーションエコシステムにおける課題と機会

イノベーションエコシステムは状況によって大きく異なります。

今回の松永昌之氏とのショートインタビューでは、最先端の科学技術研究の商業化の可能性を引き出すために、日本が直面している課題と、今後の機会について探っていきます。

日本のイノベーションエコシステムとは?

日本は科学技術分野の主要国の一つとして知られており、研究の卓越性が常に称えられ推進されてきた場所です。

しかし、最近まで、日本の科学が生み出した高度な研究成果にもかかわらず、研究成果の商業化を容易にするシステムを作ることができませんでした。これにより、日本のイノベーションは米国やヨーロッパで見られるシステムと比較してやや遅れがちに見られてきました。

近年では、税務上の救済とイノベーションのための民間および公共ベンチャーファンドの創設を支援することを目的とした政府の主導のもとで、状況はこの20年間で大きく変わりつつあります[1,2]。

日本の研究起業家が直面する課題は何ですか?

最も大きいのは考え方です。日本の研究は技術的な知識に焦点を絞りすぎて、多くの場合、効果的なビジネスデベロップメントを犠牲にしています。これはイノベーションの大きな壁であり、製品を開発して販売するためにはビジネス戦略の訓練を受けた個人やチームが必要です。

もう一つの課題は、日本のVCが比較的小さなサイズであり、多くの場合、ビジネスベンチャーの超初期の段階からのキャッシュフローに苦しんで終わることです[3]。これにより、スタートアップが国際的に競争できるペースで成長することが防げられてしまうのです。

文化的な壁はありますか?

はい、日本の中小企業は、キャッシュフローの安定化を図るため、地元企業や政府と協力する傾向があります。このローカルでリスク回避型のアプローチが日本のビジネス文化に深く浸透しているため、スタートアップが育たず日本国外の市場に浸透することができないとも考えられます[4]。

日本は他国のシステムから何を学び、他国は日本から何を学べるのでしょうか?

日本をはじめ様々な国が研究開発に関する知識や強みを共有する機会があると思います。

日本発のスタートアップビジネスは、積極的に国際的なエコシステムに参画して、イノベーションプログラムの改善や、パートナーシップ探索を効果的に行うことが求められます[5]。

また、日本は新技術開拓の鍵となる研究のための高度な技術面で他国へ教えられることが多くあります。イノベーションに関わるすべての人が前へ進む方法としてのエコシステムへの取り込みが鍵となります。

日本の起業家のために、Oxentiaは何をしていますか?

Oxentiaは、日本のスタートアップビジネスや、社内ベンチャー事業の効果的育成のための戦略を重視しております。2019年には、日本の大手シンクタンクである三菱総合研究所と共同で、ライフサイエンススタートアップ向けの事業開発プログラムを行いました。優れた科学技術基盤を有するスタートアップに対し、グローバルビジネスに関するトレーニングを提供し、更に選ばれた企業をロンドンに招致しピッチイベントを開催するというユニークな試みでした。

今後は、日本政府や企業とのタイアップを行い、類似のプログラムを積極的に提供して行く予定です。

2019年11月発行


参照:

[1] 経済産業省 企業のベンチャー投資促進税制

[2] 経済産業省 平成 3 1 年度税制改正(租税特別措置)要望事項

[3] プレジデントオンライン記事「日本のVCの投資額が米国の50分の1なワケ」

[4] 日本経済新聞オンライン記事「起業大競争と内向き日本」

[5] 英国のイノベートが推進するプログラムの一例


インタビュー原文リンクOxentiaのページが開きます)


​​松永昌之 (Oxentiaシニアコンサルタント / Biospire Japan ​代表取締役)

英ケンブリッジ大学発の再生医療ベンチャー「DefiniGEN」において、組織オペレーション及びビジネスデベロップメントを実施してきた経験を活かし、現在は日系のスタートアップ企業のグローバル化サポートや、国外における最先端技術を、日本企業に還元し、コラボレーションを加速させる事業を行っている。